インプラントは、入れ歯やブリッジに比べて最も天然歯に近い咀嚼力を持つとされています。その理由は、インプラントの素材となるチタンが骨と結合する性質を持っているためです。

埋め込まれたチタン製の人工歯根（インプラント）は、時間が経つにつれて顎の骨としっかり結合します。これにより、硬い食品（例: ステーキやせんべい）や粘着性のある食品（例: キャラメルや餅）も問題なく噛むことが可能になります。インプラントを選ぶことで、食事制限から解放され、食べる楽しみが取り戻せるのです。

奥歯を失うと、噛む力が偏り、噛み合わせのバランスが崩れることがあります。噛み合わせが悪化すると、肩こりや頭痛、さらには顔の歪みなど、全身に悪影響が及ぶことも少なくありません。

インプラントは顎にしっかり固定されるため、噛み合わせを適切に調整できます。その結果、身体全体のバランスを整え、全身の健康維持にもつながります。

奥歯を失った場合、さらに前歯を失うリスクは非常に大きくなります。

奥歯は噛み合わせの力の大部分を担うため、奥歯を失った場合、前歯への負担が大きくなります。奥歯を失った際にそのままにしていたり、入れ歯がすり減ってしまうと、前歯が揺れてしまい、どんどん前へ倒れていったり、失ってしまうリスクが高まります。

奥歯は物を噛むと同時に前歯を守る役割を担っています。

歯を失うと、歯根がなくなることで顎の骨が刺激を受けなくなり、顎骨の吸収（骨の痩せ、廃用性萎縮）が進行します。入れ歯やブリッジでは顎の骨に十分な刺激を与えることができませんが、インプラントは人工歯根が骨と直接結合するため、天然歯と同様の刺激を骨に伝えることが可能です。そのため、顎骨の吸収を抑えることができ、しっかり噛むことができますまた奥歯を失うと口腔周囲の筋肉への刺激が弱まるため、噛んだり飲み込むための筋肉が急激に弱まります。

これにより、噛めるものだけを噛んで食べるようになり、栄養が十分に取れないことで、身体がフレイル（虚弱）状態に陥ったり、誤嚥性肺炎のリスクを高めてしまうこともあります。

しっかり噛めること、筋肉や顎骨が健全であることは身体の健康にも密接に関わっています。